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第2号  2003/12/15
  ▼  まえがき
  ▼  時代が下るに連れて特効薬の効果は逓減している。


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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と
契約している個人事業主の方々を読者としています。
具体的には、web@kei-ha.co.jp と it@kei-it.com に
送っています。

コンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」です。
事業計画の背後にある基本的な考え方を語りたいと思います。
感想、異論、反論をお持ちなら是非返信してください。


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  [5年後、システム開発の仕事はどのようになっているか?]
 時代が下るに連れて特効薬の効果は逓減している。
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前号ではソフトウェア開発の歴史を振り返り、「開発生産性を
劇的に向上させた特効薬として、まずOSと高水準言語、次いで
UNIX、RDBMS、構造化プログラミングがあげられる」と述べました。

その後も、オブジェクト指向プログラミング、UML、
ウォータフォール型から反復型への移行、さらに反復型開発を
徹底したRUP(RationalUnifiedProcess)とXP(eXtreme Programming)等、
多くの技術・技法が現われました。
しかし、これらの発明は前号で例示した発明ほどには劇的な効果を
もたらしていません。

例えば、高水準言語がソフトウェアのコストを急激に小さくした
ことに異を唱える人はいません。
あるいは、UNIXで実現されたプログラミング環境がプログラマの
生産性を大きく向上させたことを否定する人はいません
これらは時代を経て評価が定まったというわけではなく、
誕生当時から、その効果を疑問視する声は無かったようです。

しかし、最近の特効薬は大概、評価が分かれます。
効果が出たという人がいる一方で、あまり効果がでなかったという
人が必ずいます。さらに、むしろ有害だったという人さえいます。

例えば「ウォータフォールは良かった」と古き良き時代を懐かしむ
声は根強いものがありますし、「オブジェクト指向を採用して
かえってコストがかかった」という証言もよく見かけます。

最近の特効薬の効果は、かつての特効薬の効果ほどには圧倒的な
ものではありません。誰が飲んでも効くという薬ではないのです。

時代が下るに連れて、ソフトウェアについての研究は進み、
理論はより精緻になっているはずです。
それにもかかわらず、その研究の成果として生み出された
技術・技法がソフトウェア開発生産性向上に与えるインパクトは
だんだん小粒になってきているのです。

これは一見奇妙なことです。
しかし、この奇妙な現象の原因は実はソフトウェア開発という
作業の本質そのものにあるのです。

次号でその秘密が明かされます。


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  次回以降の予告
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  12/22  何故、時代が下るに連れて特効薬の効果が逓減したのか?
  12/29 システム開発は何故難しいか?
 1/6 5年後、システム開発の仕事はどのようになっているか?
      次号は、12月22日発行予定です。乞うご期待!!


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発行:
株式会社 慶
 代表取締役  蒲生 嘉達
y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp
TEL:03-5951-8490  携帯:090-1258-6347


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