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SE・プログラマの資質
○:その他

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第34号  2004/07/26
  ▼  まえがき:SE・プログラマの資質
  ▼  [SE・プログラマの資質] 蓼食う虫も好きずき
  ▼  [SE・プログラマの資質] プログラミングの喜びと苦しみ
  ▼  [SE・プログラマの資質] 現状を踏まえて
  ▼ 次回以降の予告

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  まえがき:SE・プログラマの資質
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していました。

しかし、第33号からは一般の方々にも公開します。
http://www.kei-it.com/sailing/ を参照してください。
ここでバックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの
全文検索もできます。


さて、慶としては来年の新卒の秋採用をこれから本格的に開始します。
そこで、今週号から数回「SE・プログラマの資質」シリーズを
お届けします。

新卒の方や中途で未経験の方が読んで、自分が本当にSE・プログラマ
を目指してよいのかどうか考えられるようなものにしていきたいと
思います。
また、経験者の方にとっても、今後のキャリアパスを考える上で
参考になる内容にしたいと思います。


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  [SE・プログラマの資質] 蓼食う虫も好きずき
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「すべての仕事にストレス耐性は不可欠である」とよく言われます。
しかし、ストレス要因には様々なものがあります。
そして、仕事上のストレス要因は業種・職種・会社によってかなり
異なります。
例えば、公務員には「ぬるま湯体質:結果を出しても出さなくても
評価は同じ」というストレス要因がありますし、ソフトウェア会社
には「ハードスケジュール:厳しい時間制限の下で仕事をする」と
いうストレス要因があります。

一方、人の側にも「蓼食う虫も好きずき」的な感受性の違いがあります。
誰にでも苦手なストレス要因と鈍感なストレス要因とがあるのです。
例えば、ぬるま湯体質を耐え難いストレスと感じて、もっと成果
主義的な会社に転職したがる人がいれば、それを快適と感じる人も
います。
ハードスケジュールを強いられると精神的に追い詰められてしまう
人もいれば、「さほど苦にならない。むしろ暇な方が苦痛」という
人もいます。

「この仕事が好き!」という感覚は、「その仕事特有の喜びに敏感で、
その仕事特有のストレス要因に鈍感である」ということです。
一方、「この仕事は嫌い!」という感覚は、「その仕事特有の喜びに
鈍感で、その仕事特有のストレス要因に敏感である」ということです。

職業選択の鉄則は「好きな仕事をやりなさい」です。
その理由は、好きな仕事をやれば喜びは他の人よりも強く感じるのに、
ストレスは他の人よりも感じないので、長続きし、成功する確率が
高いからです。


※蓼食う虫も好きずき※
苦い蓼(たで)の葉を食う虫があるように、人の好みは様々で、
一般には理解し難い一面を持っていることも
しばしばだということわざ。 


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  [SE・プログラマの資質] プログラミングの喜びと苦しみ
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プログラミングという仕事の喜びと苦しみは、プログラミングという
仕事が生まれたときから変わっていません。
下記はブルックス著「人月の神話」からの抜粋です。

【プログラミングの喜び】
・物を作り上げる純粋な喜び。
・他の人々に役立つものを作ることの楽しさ。
・複雑なパズルのような組み立て部品を完成させ、それが巧妙に
 転回するのを眺めるおもしろさ。
・非常に扱いやすいメディア(媒体)で作業する喜び。

【プログラミングの苦しみ】
・すべて完璧にこなさなくてはならない。
 呪文の一字一句たりとも正しくなければ魔法は使えないのと同様、
 完璧でなければプログラムは動かない。
・目的を設定しリソースを提供し情報を与えるのは、別の人間である。
・他人に依存する。他人が作ったインタフェースに合わせたり、
 他人が作ったプログラムを苦労して調べて修正しなければならない。
・壮大なコンセプトをデザインするのは楽しいが、微細なバグを
 見つけ出すのは、あきあきするような骨の折れる単純労働である。
・製品が完成する時には時代遅れに見えてしまう。

「人月の神話」は1975年に書かれた本ですが、上記は今でも全く
変わっていません。これらはプログラマを志望している新卒・
未経験者が「自分が本当にプログラマになりたいのか」考えるヒント
になるでしょう。

「プログラム開発は、多くの人々が目的達成のため、もがき苦闘する
タールの沼であるとともに、また独自の喜びと苦悩を伴った創造的活動
でもある。」(ブルックス「人月の神話」より)



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  [SE・プログラマの資質] 現状を踏まえて
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ソフトウェア業界は現在下記のようになっています。

(1)グローバル化と標準化に起因する強烈な低価格化・短納期化
 圧力が存在します。
(2)しかし、設計は技術的・非技術的要因によって容易には圧縮
 できません。
(3)したがって、下記の三つが求められます。
A.製造技術の進化による製造部分のより一層の高速化。
B.ユーザの積極的関与による設計・製造全体の圧縮。
C.「ユーザの積極的関与による漸増的開発」を前提とした新しい
 契約モデルの創出。
(第12号 http://www.kei-it.com/sailing/12-040223.html 参照)

また、ポスト産業資本主義では物的資産よりも人的資産の価値が
ますます高まっており、それは会社のあり様にも反映されなければ
なりません。

上記二点を踏まえ、次回以降はもう一段に掘り下げます。



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  次回以降の予告
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次号は、8月2日発行予定です。乞うご期待!!



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