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○:その他

添付ファイルあり(PDF形式)=>43-041004.pdf
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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第43号  2004/10/04
  ▼  まえがき
  ▼  [金持ちソフト会社] 平均的な中小ソフト会社の実態
  ▼  [金持ちソフト会社] 一人当たり付加価値は最低1000万円
  ▼  [金持ちソフト会社] 税金は増やさず、内部留保のみを増やす方法
  ▼  [金持ちソフト会社] 次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していましたが、第33号からは一般の方々
にも公開しております。
発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ で、
バックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの全文検索も
できます。

読者数が増えれば、ソフトウェア業界の情報発信基地へと発展させていき、
業界に新しい流れを作っていきたいと願っております。

本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非
本メルマガの存在を教えてあげてください。


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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 
 平均的な中小ソフト会社の実態
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会計の話を分かりやすく話そうとすると、文章と数字だけではなく
図が必要になるときがあります。しかし、「まぐまぐ」では画像
ファイルを添付できないので、サイトに置きます。
今回は、http://www.kei-it.com/sailing/pdf/43-041004.pdf を
参照しながら読んでください。

「図1.平均的な中小ソフト会社」は第42号の「図1.ソフト会社の
付加価値・労働分配率・経常利益」に加筆したものです。
慶の現状を簡略化したものでもあるし、比較的優良な中小ソフト会社の
平均的姿でもあります。

・労働分配率は約80%。
・一人当たりの付加価値は700万円前後。
・内部留保はわずか。したがって、税金も少ない。

ソフトウェア受託開発会社は売上高が大きくても小さくても、
労働分配率と一人当たり付加価値はだいたいこの位です。

ソフトウェア受託開発は労働集約型産業なので、労働分配率は高く、
会社の規模が大きくなってもその性格は変わりません。
準委任なら、「売上高=単価×人数」なので、人数が増え、売上が
増えても一人当たり付加価値が大きく増えることはありません。
一括請負の場合は、成功プロジェクトでは一人当たりの付加価値が
大きくなるはずですが、プロジェクトの失敗や稼動の空きと相殺され、
どの会社でもなかなか一人当たり付加価値が増えないのが現実です。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 一人当たり付加価値は最低1000万円
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「一人当たり付加価値が700万円前後である」とはどのようなことを
意味しているのでしょうか?
当然のことながら、社員の平均年収が700万円前後であることを意味
しているのではありません。

法定福利費(社会保険などの会社負担分)、販管費負担を考慮すると
一人当たり付加価値が700万円では、正社員の平均年収(交通費・
時間外手当込み)は400万円〜450万円です。
また、これでは内部留保はほとんど残りません。

一人当たり付加価値は最低1000万円、さらに次のステップとして
1500万円を目指しましょう。
付加価値1000万円が達成できないということは、長期的には事業として
成功しないことを意味します。
従業員満足と再投資による永久運動が生まれないからです。
もしも付加価値1000万円が達成できないなら、事業のやり方を根本的に
変えなければなりません。真の意味でのリストラクチャリング
(事業の再構築)が必要となります。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 税金は増やさず、内部留保のみを増やす方法
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どの中小ソフトウェア会社でも、内部留保が進まない最大の理由は、
一人当たりの付加価値が足りないことです。
しかし、第二の理由として、「税金を取られたくないので、決算書上の
利益はなるべく出さないようにしよう」という意図があげられます。

第42号で「税金は増やさず、内部留保のみを増やすという方法はある」
ということを述べました。
これには、次の二つの方法があります。

(1)半分または全額損金になる保険商品を使う。
(2)形は役員報酬とするが、別口座で管理し、役員個人の金とは峻別し、
 実際には会社のお金として使う。

両方とも、見かけの経費を増やし、決算上の利益を減らし、税金も
減らすが、実際には会社として自由に使える資金(実質的な内部留保)
が残るという点では同じです。

第25号の「理想の財務」では(1)の方法を想定しています。
http://www.kei-it.com/sailing/25-040524.html とその添付ファイルの
http://www.kei-it.com/sailing/pdf/25-040524.pdf を参照してください。

基本的な考え方は第25号を書いたときと変わっていませんが、確信は
より強まっています。次のように・・・。
・実質的な利益をより精緻に管理すべきである。
・それを加えた損益計算書と貸借対照表も作るべきである。
・会社案内やホームページなどで公表する数字は実質的な利益の方で
 あってもよい。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 次回以降の予告
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上記「(2)形は役員報酬とするが、・・・」という方法は、一見
公私混同しているようで、(1)の方がスマートに見えますが、実は
「役員報酬とは何か」という問題を鋭く問いかけている方法です。
これについては次回以降で解説していきたいと思っています。

会社としての最優先事項は、一人当たり付加価値を早く1000万円にする
ことです。
したがって、将来、本メルマガのテーマとして「マーケティング」も取り
上げていきたいと考えています。


次号は、10月11日発行予定です。乞うご期待!!



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