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第50号  2004/11/22
  ▼  まえがき
  ▼  [永久運動の設計] これまでのまとめ
  ▼  [永久運動の設計] 人材紹介会社の適正規模
  ▼  [永久運動の設計] K-BANKの今後
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していましたが、第33号からは一般の方々
にも公開しております。
発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ で、
バックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの全文検索も
できます。

ソフトウェア業界の情報発信基地へと発展させていき、業界に新しい
流れを作っていきたいと願っております。

本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非
本メルマガの存在を教えてあげてください。



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  [永久運動の設計] これまでのまとめ
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第45号から「会社の規模」について書いています。

--------------------【問題】--------------------
○売上2億円の会社を5つ作るべきか、売上10億の会社を1つ作るべきか?
○大きくなるか?小さくなるか?
会社は「規模の経済」「範囲の経済」の論理で大きくなる方がよいのか?
それとも、コア・コンピタンスに集中し、残りの機能は極力アウト
ソーシングする、つまり小さくなる方がよいのか?
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第45号、第46号、第48号で書いたことをまとめます。

モノ・カネ・情報の流通に関しては、「規模の経済」「範囲の経済」が
かつてないほど強力になってきています。
その世界では大きくなることが王道であり、モノ・カネ・情報の
流通に関わる巨大企業の基本的な行動原理は、「規模の経済」
「範囲の経済」です。

しかし、視点を変えるともう一つの世界が見えてきます。
上記巨大企業の活動の結果として、また手段として、世界中で標準化が
進みます。
このあたりのメカニズムは第7号、第8号を参照してください。
・第7号 http://www.kei-it.com/sailing/07-040119.html
・第8号 http://www.kei-it.com/sailing/08-040126.html

標準化が進んだ世界とは「規模の経済」「範囲の経済」が弱まった
世界です。
モノ・カネ・情報の流通そのものは大きいほうが有利になりますが、
その流通の結果として手に入るモノ・カネ・情報を事業の素材として
利用する側は、規模や範囲の経済が弱まるのです。

原材料や部品は標準化されたものが安く手に入るようになりました。
インターネット経由で幅広い情報収集や顧客開拓が可能となりました。
金融革命によって資金調達も従来よりも容易になりました。

もう一つの世界とは、「標準化された素材で差別化した結果を出せる
会社が勝ち組になる世界」です。


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  [永久運動の設計] 人材紹介会社の適正規模
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「規模の経済」「範囲の経済」が弱まったといっても、その程度は
業種や仕事内容によって異なります。

例えば、人材紹介業では規模や範囲の経済はほとんど存在しません。

もちろん、人材情報サイトを運営する側の企業には、規模や範囲の
経済は強くはたらきます。情報の流通に携わる側だからです。
参考までに、人材情報サイトの代表例をあげます。
・en転職コンサルタント http://consultant.en-japan.com/
・人材バンクネット http://www.jinzai-bank.net/
・イーキャリアFA http://www.ecareerfa.jp/
・エイブリックNET http://www.abic.net/ (注)
彼らの行動原理は、「規模の経済」「範囲の経済」です。

しかし、それらのサイトを利用する紹介会社には、規模や範囲の
経済は全くと言ってよいほどはたらきません。
インターネットで人材情報の収集や顧客開拓が容易になったので、
差別化できる要素は、個々のコンサルタントの才能、技量、人柄、
ノウハウ、努力、そして運(実はこれが重要)しかなくなったのです。

私は、人材紹介会社の規模で一番効率がいいのは5名〜10名では
ないかと思います。

小さくても不利という点はほとんど見当たりません。
強いてあげるなら、あまりにも小さすぎると、事務所が借りられない、
電話の取次ぎができない、人材転職サイトの費用が負担できない
などでしょう。

一方、大きくなると不利な点として下記があげられます。
・コンサルタント間での競合(顧客・人材両面で)が発生する。
・コンサルタント間でのコミュニケーションギャップが発生する。
・組織の運営という余分な管理工数が発生する。


(注)エイブリックNET
リクルート・エイブリックはリクルート系の人材紹介会社であり、
自前の転職サイト(エイブリックNET)を運営しています。
転職サイト運営会社が人材紹介会社でもあるという例であり、
規模や範囲の経済がはたらく特殊な人材紹介会社です。


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  [永久運動の設計] K-BANKの今後
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本年4月に、慶は「K-BANK」という人材紹介サービスを立ち上げました。
http://k-bank.jp/ 参照。

上記のように考えると、K-BANKの今後が見えてきます。
・5名〜10名の規模を目指す。
・上記以上になったら、別会社にする。
・コンサルタントに焦点を絞った運営をする。
(「個々のコンサルタントが何ができるか」を前面に出した広報など)


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  次回以降の予告
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次号以降で下記のテーマを取り上げます。
・システム開発受託会社の適正規模。
・差異性を創造し維持し拡大する方法。

次号は、11月29日発行予定です。乞うご期待!!


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