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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第53号  2004/12/13
  ▼  まえがき
  ▼  [永久運動の設計] 週刊ダイヤモンド(12月11日号)の記事
  ▼  [永久運動の設計] 大手業務請負会社の業務請負
  ▼  [永久運動の設計] 「偽装請負」をする理由
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していましたが、第33号からは一般の方々
にも公開しております。
発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ で、
バックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの全文検索も
できます。

ソフトウェア業界の情報発信基地へと発展させていき、業界に新しい
流れを作っていきたいと願っております。

本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非
本メルマガの存在を教えてあげてください。

(以下をそのまま転送するだけです。)
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【お勧めメルマガ ソフトウェア業界 新航海術】
⇒ http://www.kei-it.com/sailing/ または
  http://www.mag2.com/m/0000136030.htm
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  [永久運動の設計] 週刊ダイヤモンド(12月11日号)の記事
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第52号では人材派遣会社について取り上げました。

全くの偶然ですが、週刊ダイヤモンド12月11日号(12月6日発売)でも
人材派遣会社についての特集が組まれていました。

「人材派遣 急膨張の光と影」という記事です。
( http://dw.diamond.ne.jp/number/041211/index.html 参照 )

その記事によると、人材派遣業界全体(業務請負を含む)の売上は
約4兆円、上位30社の売上高合計は約1兆7000億円だそうです。
市場の40%強が上位30社で占められていることになります。

この数字は人材派遣業界では規模や範囲の経済が大きくはたらくことを
示しています。

上位10社の2004年3月期の売上高は次のとおりです。

 1.スタッフサービス     2,528億円 一般派遣
 2.テンプスタッフ      1,610億円 一般派遣
 3.パソナ          1,570億円 一般派遣
 4.アデコ          1,550億円 一般派遣
 5.リクルートスタッフィング  883億円 一般派遣
 6.日研総業          882億円 業務請負
 7.マンパワージャパン     880億円 一般派遣
 8.メイテック         713億円 一般派遣
 9.日総工産          535億円 業務請負
 10.グッドウィル・グループ   524億円 軽作業請負
       (週刊ダイヤモンド 12月11日号 より)



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  [永久運動の設計] 大手業務請負会社の業務請負
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上位10社のうち日研総業、日総工産、グッドウィル・グループは
一般派遣ではなく業務請負です。

ここで、人材派遣と業務請負の違いについて簡単に触れておきましょう。
法律的には、人材派遣は労働者派遣法に基づく要員派遣契約、業務請負は
民法に基づく準委任契約です。

人材派遣と準委任の最も大きな違いは「誰が労働者へ業務の遂行方法に
関する指示を出すか」という点にあります。
人材派遣の場合、顧客が労働者へ指示・命令を出します。
業務請負の場合は、受託会社が指示・命令を出します。

ソフトウェア業界でも業務請負は非常に多く、量的には最も多い
契約形態です。
顧客とソフトウェア会社間で準委任契約を結び、社員が客先に常駐し、
現場で顧客からの注文を受けて作業をする形態です。
常駐しているソフトウェア技術者が顧客からの注文を受けて作業を
すること(準委任)と、派遣社員が顧客から業務の遂行方法に関する
指示を受けて作業すること(人材派遣)とは一見似ていますが、根本的な
違いがあります。これについては次号で論じます。

本号では、大手業務請負会社が製造、土木・建築、軽作業などで
行っている業務請負とソフトウェア業界の業務請負とは、契約類型
としては同じ準委任でありながら、背景も実態も大きく異なっている
ということを指摘します。

両者の特徴を列記します。

○大手業務請負会社の業務請負
[作業の中身] 専門性のない、マニュアル化された作業
[底辺の文化] 土木作業や港湾荷役作業、工場の構内請負の文化
[需要と供給] 供給(労働力)>需要(仕事量)
[ボリューム] 大量なオーダー、大量の労働者

○ソフトウェア業界の業務請負
[作業の中身] 高度に専門的な仕事、マニュアル化できない仕事
[底辺の文化] 一括請負の文化
[需要と供給] 供給<需要
[ボリューム] 1プロジェクトで必要な技術者数は少数、人材を供給する
      ソフトウェア会社も大量の技術者を抱えることはない。


大手業務請負会社の上記特徴は、大手人材派遣会社の特徴そのものです。
大手業務請負会社の多くは、指揮命令権をレンタルするのみで、
現場責任者も置かず、結果責任も取らないという点では、人材派遣会社
と同じです。
そして、この種の業務請負では、人材派遣同様、規模や範囲の経済が強く
はたらきます。大きい方が強いのです。



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  [永久運動の設計] 「偽装請負」をする理由
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実態は人材派遣である業務請負を「偽装請負」と呼びます。

ではなぜ、大手業務請負会社は人材派遣ではなく業務請負という形を
とりたがるのでしょうか?

その理由は下記の3つです。

(1)人材派遣が認められていない業種があった
1986年に成立した労働者派遣法では、人材派遣が許されたのはわずか
13業務でした。
派遣法で認められていない業種は業務請負でやらざるを得なかったのです。
但し、数回の改正を経て、現時点では職種に関する規制はほとんど
無くなっています。

(2)人材派遣だと期間の制約がある
職種に関する規制はほとんど無くなりましたが、派遣期間の制約は
現在も多くの職種で残っています。
1年または3年以内と決められているのです。
もっと長期で契約したい場合は、業務請負でやらざるを得ないのです。

(3)業務請負の方が社会保険料を逃れやすい
人材派遣会社でも社会保険加入率100%の業者はほとんどないのが実情ですが、
人材派遣業は認可事業なので、悪質な業者は取り締まりが可能です。
それに対して、業務請負には規制法がないので、悪質な業者も多いのです。

> ある大手業務請負会社を例にとれば、労働者をグループ内の複数の
> 業務請負会社に登録させ、社会保険加入義務が生じない二ヶ月ごとに
> 契約する会社を変えていく。・・・(中略)・・・
> それでも社会保険の未加入問題が発覚した場合、会社をつぶしたり
> 社名変更して所在地も変えてしまう。
>             (週刊ダイヤモンド 12月11日号 より)



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  次回以降の予告
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業務請負については論じたいことが幾つかあります。
下記の問題について、次号以降で論じます。

【問題1】
実際にはソフトウェア技術者一人が常駐して顧客から指示を受ける
ことも多い。これは実態として人材派遣ではないのか?

本文中では次のように表現した問題です。

> 常駐しているソフトウェア技術者が顧客からの注文を受けて作業を
> すること(準委任)と、派遣社員が顧客から業務の遂行方法に関する
> 指示を受けて作業すること(人材派遣)とは一見似ていますが、
> 根本的な違いがあります。これについては次号で論じます。


【問題2】
ソフトウェア会社の一括請負の人月見積もりをどのように考えるか?

第52号で次のように書いた問題です。

> 例えば、ハウスメーカに注文住宅の見積を依頼した場合、見積書の
> 大部分は「部品×数量」です。
> その住宅のために職人が何人働くかなどということはどこにも書かれ
> ていませんし、顧客もそのようなことを全く気にしません。
> 一方、ソフトウェア一括請負の見積の基本は昔も今も「この作業に
> 技術者が何日かかるか」です。
> つまり外見は工事請負契約ですが、一皮向けば役務の提供の契約である
> 面が見えてきます。

【問題3】
業務請負を中心とするソフトウェア会社の適正規模と最適な組織は?
一括請負を中心とするソフトウェア会社の適正規模と最適な組織は?


次号は、12月20日発行予定です。乞うご期待!!


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