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第55号  2004/12/27
  ▼  まえがき
  ▼  [永久運動の設計] 第53号、第54号のまとめ
  ▼  [永久運動の設計] 慶のITサービス事業部の技術者数
  ▼  [永久運動の設計] ソフトウェア業務請負の最大の問題点
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していましたが、第33号からは一般の方々
にも公開しております。
発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ で、
バックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの全文検索も
できます。

ソフトウェア業界の情報発信基地へと発展させていき、業界に新しい
流れを作っていきたいと願っております。

本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非
本メルマガの存在を教えてあげてください。

(以下をそのまま転送するだけです。)
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【お勧めメルマガ ソフトウェア業界 新航海術】
⇒ http://www.kei-it.com/sailing/ または
  http://www.mag2.com/m/0000136030.htm
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  [永久運動の設計] 第53号、第54号のまとめ
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第53号、第54号で書いたことをまとめてみます。

大手業務請負会社が工場の生産ラインなどで行っている製造業務請負の
ほとんどは実態としては人材派遣です。
人材派遣の規制が緩和され、偽装請負に対する行政の監視が厳しくなる
につれて、大手業務請負会社のかなりの部分が人材派遣会社に取って
代わられるでしょう。

一方、ソフトウェアの業務請負は本質的に自由裁量の余地があり、
真の業務請負、つまり準委任です。
人材派遣の前提は自由裁量の否定なので、人材派遣会社や大手業務
請負会社は今後もソフトウェアの業務請負では成功しないでしょう。

経験の少ない技術者の中には「私は客先常駐で業務請負の仕事をして
いますが、顧客から逐一指示を受け、自由裁量の余地などありません」
と言う人がいるかもしれません。
それに対して、私は次のように答えます。

「現時点では、あなたの知識不足のため、顧客から逐一指示を受ける
局面があるかもしれません。しかし、顧客が本当に望んでいることは、
あなたに逐一指示することではなく、あなたに任せることです。
したがって、そのような状態は一時的なものです。」

ちなみに、プログラミングをサービスとして捉える契約形態(日本での
業務請負、準委任)はアメリカでもごく一般的な形態です。

> ソフトウェア契約の対象となるのは、商品(例:小売店で購入できる
> プログラミング)、サービス(例:顧客の仕様に沿ってプログラミング
> するサービス)、またはその両方(例:無償アップデートやバグ修正が
> 約束されてプログラム)である。
>          (Cem Kaner,Jack Falk,Hung Quoc Nguyen著
>           「基本から学ぶソフトウェアテスト」より)



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  [永久運動の設計] 慶のITサービス事業部の技術者数
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慶で業務請負に特化している事業部は、ITサービス事業部(略称:IT事)
 http://www.kei-it.com です。

「ソフトウェア業務請負会社の適正規模と最適な組織」という課題を、
慶のITサービス事業部を例にして具体的に考えていきます。

12月27日現在、IT事で稼動している技術者数は43名、その内訳は次の
とおりです。
 開発系:28名
 インフラ系(ネットワーク・サーバ構築および運用):9名
 サポート系(検証、管理、SE補助、ヘルプデスクなど):6名

開発系の技術的内訳は次のとおりです。
 Java:      14名
 VB、VB.NET、ASP: 5名
 Perl、Cold Fusion:4名
 ERP:       2名
 C、C++:      2名
 COBOL:      1名

上記は、現在携わっている業務での分類であり、実際に持っている
スキルとは異なります。
例えば、ある技術者がCとJavaの技術を持っていたとしても、現在Javaの
仕事をしていればJava技術者に分類しています。


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  [永久運動の設計] ソフトウェア業務請負の最大の問題点
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ほとんど全てのソフトウェア会社が業務請負を行っている中で、
慶のITサービス事業部は幾つかの特色を持っています。

その中の一つが、基本的に自社で雇用した社員または直接契約した
個人事業主を使って業務請負をしているという点です。
協力会社はほとんど使っていません。12月27日現在、協力会社社員は
わずか1名です。(上記43名には含まれていません。)

自社の社員および直接契約している個人事業主のみで業務請負をする
などということは当たり前のことのように思うかもしれませんが、
この業界でこの規模にまで成長した事業部にしては珍しいことなのです。

ソフトウェア業界における業務請負の最大の問題点は、請負の階層が
深すぎるということです。

先に「ソフトウェアの業務請負は本質的に自由裁量の余地があり、
真の業務請負、つまり準委任です」と述べましたが、これは慶のように
技術者を直接管理している会社、または仕事内容を十分に把握し顧客と
折衝できる元請会社の場合です。

中間にいるだけの会社の業務請負(準委任)は実に怪しげなものです。

形式的には業務請負(準委任)ですが、実際には何も請負っていません。
冒頭に述べた大手業務請負会社の偽装請負は少なくとも人材派遣会社
レベルの管理(雇用に関する管理)はしていますが、ソフトウェアの
業務請負で中間にいるだけの会社は、何も管理していません。
トラブルが発生したときは、問題を解決するどころか、邪魔になるだけ
という場合も多いのです。

但し、営業代行としての存在意義はあります。

稼動技術者43名のIT事が専任の営業マン2名で回っているのも、中間会社に
営業の一部を代行してもらっているからだとも言えます。

しかし、慶のITサービス事業部も十分な規模になったので、来年からは
積極的なエンドユーザ営業をしていきますし、中間に入っている会社の
階層も減らしていきます



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  次回以降の予告
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次号は、1月3日発行予定です。乞うご期待!!

下記の問題を取り上げます。

・業務請負を中心とするソフトウェア会社の適正規模と最適な組織は?
 慶ITサービス事業部を具体例として考察します。

・一括請負を中心とするソフトウェア会社の適正規模と最適な組織は?
 「契約意識の高い欧米で一括請負がどのように考えられているのか」
 (第10号 http://www.kei-it.com/sailing/10-040209.html で提起した
 問題)から論じます。



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