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第81号  2005/06/27
  ▼  まえがき
  ▼  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 借入れ金利が10%を超えていた時代
  ▼  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 借入れ依存体質の危険性
  ▼  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] インフレ目標のスイッチが押される日
  ▼  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] もう一つの問題
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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こんにちは、蒲生嘉達(がもう よしさと)です。

今回は久々に「金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社」シリーズです。

小売業なら売上は売った瞬間に現金になり、仕入れは請求書ベースなので、
「売掛金<買掛金」となります。
一方、システム受託開発会社では通常「売掛金>買掛金」となります。
入りより出の方が早いのです。
したがって、多くのソフトウェア会社では、売上が拡大するにつれて
銀行からの借入れも増えていきます。

今回は、この銀行からの借入れが以前よりも危険なものになりつつ
あるという話しをします。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 借入れ金利が10%を超えていた時代
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私が慶を立ち上げたのは1998年9月、初めて銀行から借入れをしたのは、
2000年9月です。その時の金利は年3.3%でした。
つまり、私は金利が低くなってからの融資しか経験がないのです。

そこで、先日、国民生活金融公庫の営業マンに次のような質問をしました。

「例えば、今は銀行の住宅ローンの金利は1%台のものもある位低い
ですよね。
でも、バブルの頃は住宅金融公庫でも6%、銀行なら8%位でしたよね。
バブルの頃って企業への融資金利もすごく高かったんですか?
そもそも銀行の融資金利は何によって決まるのですか?」


国民生活金融公庫の営業マンの回答は次のようなものでした。

・銀行の融資金利が決まる仕組みは、その融資商品によって異なります。
 長期プライムレートをベースにするものも、短期プライムレートを
 ベースにするものもあります。また、銀行の融資政策にも左右されます。

・国民生活金融公庫の企業融資の金利は長期プライムレートに若干
 上乗せしたものです。上乗せ率はその企業の業績や担保によって
 決まります。

・長期プライムレートは今は1%台前半ですが、バブルの頃は6%〜7%でした。
 したがって、バブルの頃は国民生活金融公庫の企業融資の金利は10%を
 超えることも珍しくありませんでした。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 借入れ依存体質の危険性
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銀行の営業マンも国民生活金融公庫の営業マンも、私が将来の金利
上昇の話をすると、必ず次のように言います。

・今のところ金利が上昇する気配はありません。
・また、融資金利は変動ではなく固定なので、例えば3年間の融資期間
 中に長期プライムレートが上昇しても融資金利は変わりませんので、
 安心してください。


しかし、借入れ依存体質が染み付いてしまったら、完済後に、また
借入れを起こさなければなりません。
そのときには、後述のように、借入れ金利が大幅に上昇している
可能性が高いのです。

借入れ金利が上昇しても、それ以上に営業利益が増えればよいのですが、
もしも営業利益が増えなければ経常利益が減ります。
また、最悪の場合、金利を払うために、さらに借入れが必要となります。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 インフレ目標のスイッチが押される日
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銀行マンは「金利が上昇する気配はありません」と言いますが、私は
ここ1、2年で金利が急上昇する気配を感じています。


森永卓郎氏が「年収300万円時代を生き抜く経済学」などで展開している
下記の主張には説得力があります。
・現在のデフレ不況は政府と日銀の暗黙の共謀によって演出されたもの。
・小泉改革の正体は「金持ちをますます金持ちにする」こと。

森永卓郎氏によれば「金持ちをますます金持ちにする」仕掛けは次の
とおりです。

> (1)ITバブルを引き起こして「頭金」を作る。 
> (2)金融引き締めによるデフレを仕掛けて、資産価格を急落させ、不動産を
>  借金で購入した企業を追い込む。 
> (3)不良債権処理を強行して、放出された不動産を二束三文で買い占める。 
> (4)デフレを終わらせて、買い占めた不動産価格でキャピタルゲインを得る。 
> (5)一度たたき落とした旧来型の企業や一般市民が、這い上がってこない
>  ように弱肉強食社会へと転換する。 
>       (森永卓郎著「年収300万円時代を生き抜く経済学」より)

そして、現在は(3)の後半の段階です。

> そう遠くない将来、日銀が事実上のインフレ誘導に打って出ることは
> 確実と言っていい情勢なのです。・・・(中略)・・・
> もう一段の不良債権処理を待って、外資のハゲタカファンドや日本の
> 投資ファンド、「勝ち組」企業が土地や株を買い漁ったあと、ついに
> インフレターゲティングへのスイッチが押されるはずです。
>       (森永卓郎著「「家計破綻」に負けない経済学」より)


6月19日の日経新聞の「インフレ目標論争二幕へ」という記事でも
「インフレ目標の有効性は最近の経済学では広く共有されている」という
竹中経済財政相の言葉を紹介しています。



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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] もう一つの問題
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借入れが大きくなり過ぎると、もう一つ問題が発生します。

多くの中小企業では、社長個人が会社の借金の連帯保証人になっています。
これは会社の借金にたいして社長個人が自分の資産を担保に差し出して
いることを意味します。

したがって、借入れが大きくなり過ぎるということは、社長個人に
とってもつらいことですが、会社にとってもデメリットがあります。
社長の交代が難しくなるのです。

たとえ社長が業績を上げられなくとも、年をとっても、交替しづらく
なるのです。
あるいは社長職を後輩に譲って、自分は新しい事業を立ち上げるような
ことができなくなります。


まえがきで次のように書きました。

> 一方、システム受託開発会社では通常「売掛金>買掛金」となります。
> したがって、多くのソフトウェア会社では、売上が拡大するにつれて
> 銀行からの借入れも増えていきます。

しかし、本当に利益が出ていれば、「売掛金>買掛金」による運転資金の
増加も内部留保で補えるはずです。たとえ全額でなくとも・・・。



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 次回以降の予告
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「保存できないエディタ」シリーズはしばらくお休みし、次のような
テーマを取り上げたいと思っています。

・本当の成果主義賃金体系とは何か?
・最近強まっている業務請負から労働者派遣への流れ



次号は、7月4日発行予定です。

乞うご期待!!



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ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。


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