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第84号  2005/07/18
  ▼  まえがき
  ▼  [永久運動の設計] 「人材登録型の業務請負」を狙う大手派遣会社
  ▼  [永久運動の設計] 大手派遣会社の脅威
  ▼  [永久運動の設計] 次回以降の予告


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  まえがき
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こんにちは、蒲生嘉達(がもう よしさと)です。

「永久運動の設計」シリーズは、ソフトウェア会社の最適な組織
について探っていくシリーズです。

「永久運動の設計」シリーズを最初から読みたい方は、
http://www.kei-it.com/sailing/back_forever.html を参照してください。



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  [永久運動の設計] 「人材登録型の業務請負」を狙う大手派遣会社
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第83号では「技術の標準化が人材流動化を引き起こす。個人事業主の
増加はその一つの表れである」ということを述べました。

今後も個人事業主および個人事業主に近い零細企業(一人社長の会社)は
増えていきます。
したがって、個人事業主のエージェントとして振舞う会社は成功
するでしょう。

そして、実際に大手派遣会社はそこを狙っています。

例えば、リクルートは「アントレプロワーカーバンク」
( http://entre.yahoo.co.jp/pro/index.html )なるものを始めました。

また、リクルートは月刊誌アントレの3月号で、次のような美しい言葉で
個人事業主を釣っています。

> 会社に属し給料をもらって働く「会社員」ではなく、企業と対等の
> 関係で契約を結び、独立した個人事業主として能力・スキルを提供し、
> 成果で応え、報酬を得る。
> 自分を常に仕事を選択する立場に置き、やりたい仕事をやりたい時にやる。
> そんな、組織に縛られずに、自分が培った人脈・経験・スキルを活かして
> 働く人を、私たちはプロワーカーと名付けました。


ここで注意すべきことは、リクルートが「SEの一般派遣」ではなく、
「人材登録型の業務請負」をやろうとしている点です。



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  [永久運動の設計] 大手派遣会社の脅威
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私は第52号で「人材を規格化・分類・交換可能なものとして扱うと
いう人材派遣会社の本質がソフトウェア開発の本質と合わない。
したがって、派遣会社は今後もソフトウェア業界では影の薄い存在
であり続けるであろう」というようなことを書きました。
( http://www.kei-it.com/sailing/52-041206.html 参照)

SE派遣を一般派遣のみでやっている大手派遣会社は怖くありませんが、
「人材登録型の業務請負」を本気になってやりだした大手派遣会社は
脅威です。

人材登録型の業務請負をやっているソフトウェア会社は大手派遣会社の
資金力、組織力、宣伝力、営業力に負けて淘汰されるかもしれません。

慶のITサービス事業部も似たようなことをやっているので、より一層の
工夫が必要となります。


> 向上心のある技術者ほど中小ソフト会社から流出していくのである。
> では彼らはどうやって職にありつくのか。
> IC(インディペンデント・コントラクター)いわゆる個人事業主として
> 腕一本で開発案件を獲得する道が整いつつあるのだ。
> 技術者派遣大手は相次いでICの囲い込みに乗り出している。
> “雇われない”技術者の増加は人集めに奔走してきた中間業者の衰退を
> 招きそうだ。
>
>        (ソフト人脈2005/6/25号「鵜の目鷹の目」より)



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  [永久運動の設計] 次回以降の予告
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それでは、ソフトウェア業界が、人材登録型の業務請負をやる大手
派遣会社とそれに登録している個人事業主だけになるのかというと、
そうではありません。


次号以降で下記のことを書いていきます。

・創造的な技術者が個人的な能力で牽引する会社は短期的には成功するが、
 長期的には息切れする。

・「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」方式の会社が長期的には成功する。
 でも、それをやるためには、個人ではなく組織が必要である。

・技術の標準化が引き起こす人材流動化は正社員の給与体系にも影響を
 与える。成果主義型報酬体系とは正社員の社内個人事業主化である。

・金持ち会社がM&Aをする理由。
 M&Aは成功するか?


次号は、7月25日発行予定です。

乞うご期待!!



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  本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、
目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。

したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び
慶と契約している個人事業主を想定しています。
彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。


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