メルマガ ソフトウェア業界 新航海術

ホーム

バックナンバー

2010年のシステム開発

航海術


  バックナンバーの全文検索
全バックナンバー(古い号が先)
全バックナンバー(新しい号が先)
5年後のシステム開発
ブルックスの法則
グーグルの衝撃
保存できないエディタ
製造業の呪縛
請負と派遣
永久運動の設計
大きくなるか、小さくなるか
ゴーイング・コンサーン
金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社
経営の基準となる数字
借入れと連帯保証
ソフトウェア振替という麻薬
賃金決定の仕組み
SE・プログラマの資質
○:その他

添付ファイルあり(PDF形式)=>42-040927.pdf
**************************************************************
_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
**************************************************************
第42号  2004/09/27
  ▼  まえがき
  ▼  [金持ちソフト会社] 一人当たり付加価値
  ▼  [金持ちソフト会社] 労働分配率
  ▼  [金持ちソフト会社] 一人当たり経常利益
  ▼  [金持ちソフト会社] 経常利益と税金と当期利益は比例関係
  ▼  [金持ちソフト会社] 次回の予告
  ▼  [その他] マガジン紹介:中国ビジネス入門
  ▼  [その他] お詫び


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  まえがき
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していましたが、第33号からは一般の方々
にも公開しております。
発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ で、
バックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの全文検索も
できます。

読者数が増えれば、ソフトウェア業界の情報発信基地へと発展させていき、
業界に新しい流れを作っていきたいと願っております。


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 一人当たり付加価値
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

会計の話を分かりやすく話そうとすると、文章と数字だけではなく
図が必要になるときがあります。しかし、「まぐまぐ」では画像
ファイルを添付できないので、サイトに置きます。
今回は、http://www.kei-it.com/sailing/pdf/42-040927.pdf を
参照しながら読んでください。

「図1.ソフト会社の付加価値・労働分配率・経常利益」は第41号の
「図2.ソフト会社の付加価値」に加筆したものです。

私は第40号で次のように書きました。

> 経営者が経営の基準として扱わなければならない数字は下記の3つです。
> ・一人当たり付加価値
> ・労働分配率
> ・一人当たり経常利益

この図には経営の指標となる上記数字の関係が表わされています。

売上高から変動費を引いたものが「付加価値」です。
付加価値の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはありません。

会社としての最優先事項は、華々しいコンセプトを打ち出すことでも
新規性のある斬新なビジネスモデルを創り出すことでもありません。
付加価値を大きくすることです。
コンセプトは格好悪くても、ビジネスモデルは二番煎じであっても
構いません。付加価値がないことには話が始まらないのです。

たまに、コンセプトやアイデアには凝っているが付加価値は生み出せ
ないという会社にお目にかかります。
そのような会社は1、2年で資金を使いきって消えていきます。

付加価値を正社員(固定費の社員)数と役員数の合計で割った数字が、
「一人当たり付加価値」です。

会社全体としての付加価値の目標設定、一人当たり付加価値の目標設定は、
事業計画の基本中の基本です。


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 労働分配率
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

正社員(固定費の社員)の賃金と役員報酬を足した金額が「人件費」です。

そして、労働分配率=人件費÷付加価値 です。

付加価値は分配されなければなりません。
正社員と役員への付加価値の分配率が「労働分配率」なのです。

当然のことながら、正社員は自分の給料を増やすことを望み、役員は
自分の役員報酬を増やすことを望みます。
しかし、それはその他の販管費への分配率と営業利益への分配率を
圧縮することを意味します。


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 一人当たり経常利益
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

営業利益に営業外収益を足し、そこから営業外費用を引いた金額が
「経常利益」です。

営業外収益とは本業外の利益のことで、慶の場合、例えば次のような
ものがあります。
・受取利息(銀行預金の利息)
・雑収入(オリジナル商品の売上)

営業外費用の代表的なものは、支払利息(銀行からの借入の利息)
であり、これは無視できない存在です。

経常利益にさらに特別利益(例:助成金)を加え、そこから特別損益
(例:貸倒損失)を引いたものが「税引前当期損益」です。
しかし、特別利益、特別損益が発生するのは特殊なケースなので、
「図1.ソフト会社の付加価値・労働分配率・経常利益」では無視して
います。同図では、税引前当期損益と経常利益は同額です。

経常利益から税金が引かれて、当期利益が確定します。
税金は法人税、事業税、住民税を合わせて約41%です。
( http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/houzin/hou01.htm 参照。)

当期利益から株式の配当を払って残るものが内部留保ですが、配当を
しないなら、当期利益=内部留保 となります。


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 経常利益と税金と当期利益は比例関係にある
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

さて、下記は第41号からの引用です。

> ・正社員の賃金(技術)
> ・正社員の賃金(営業・事務)
> ・役員報酬
> ・その他の販管費
> ・税金
> ・当期利益(内部留保)
> 
> それぞれが競合関係にあります。
> つまり、一つを増やせば、その分他が減るのです。
> 他を減らさず、個々を増やすためには、付加価値全体を大きくしなければ
> なりません。分配のパイを増やさなければならないのです。

しかし、もう一度「図1.ソフト会社の付加価値・労働分配率・経常利益」
を見てください。
確かに正社員の賃金、役員報酬、その他の販管費、経常利益は競合関係に
あります。

しかし、経常利益と税金と当期利益との関係は極めて単純な比例関係です。
経常利益が決まれば、自動的に税金と当期利益が決まるのです。
逆に言えば、経常利益と当期利益のみを増やして、税金を減らすと
いうことはできません。経常利益を増やせば、それに比例して税金も
増えてしまうのです。

1,000万円の経常利益を出せば、自動的にその中の410万が税金に取られ、
内部留保としては590万円しか残らないのです。


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 次回の予告
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

第40号で提起した「【問1】決算書上の利益は限りなく0に近づけて
節税すべきか?それとも、節税はあきらめて利益の半分を国に吸い
取られても決算書上の利益を出すべきか?」という問題は、
「経常利益、税金、当期利益の比例関係を崩す方法はないだろうか?
税金は増やさず、当期利益のみ増やすという方法はないだろうか?」
という問いなのです。

実はあるのです。それは次号で解説します。
次号は、10月4日発行予定です。乞うご期待!!



*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [その他] マガジン紹介:中国ビジネス入門
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

最近、外国人技術者が珍しくなりました。

慶でも契約社員や個人事業主として、アメリカ人1名、韓国人2名、
中国人1名、インド人1名、インドネシア人1名が活躍しています。
日本が経済大国として繁栄の頂点を極めていた1980年代よりも
今の方が外国人技術者は増えています。
これも経済のグローバル化、ポスト産業資本主義化の一つの現れでしょう。
グローバル化、ポスト産業資本主義化については、

「2010年のシステム開発」(試読版)第3章
http://www.kei-it.com/sailing/pdf/2010-shidoku-2.pdf または、
本メルマガの第7号と第8号を参照してください。
( http://www.kei-it.com/sailing/back_2010.html 参照)

私も中国には無関心ではいられません。
来年には本メルマガ主催で中国視察旅行を企画できたらいいなとも
思っています。

最近、私が登録した中国の情報のメルマガを紹介します。

◆●◆ 海外ソフトウェア開発にお悩みの貴社に朗報です! ◆●◆
@ITに連載記事を持つ日本唯一の海外ソフト開発コンサルタントの実践スキル
をあるがままに告白!教科書にはない、門外不出のプロジェクトマネジメント!
希望者には、中国オフショア開発失敗事例が満載の特別レポートで無料進呈!!
★今すぐ→ http://www.ai-coach.com/backno/ <ブログも大好評!>

■マガジン紹介
中国ビジネス入門 〜初めてでも失敗しない対中交渉〜
発行部数:913部
まぐまぐID:113402
URL: http://www.ai-coach.com/backno/


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
  [その他] お詫び
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

第41号について、読者から下記の指摘をいただきました。

> ソフトウェア業界 新航海術 第41号の中で、丸数字が
> 「?」に置換されていると思われる箇所がいくつかあり
> ました。
> 
> たとえば・・・
> >丸数字は図2での丸数字です。
> 
> >?外注費(協力会社)
> >?外注費(個人事業主)
> >?契約社員
> 
> おそらく、まぐまぐのサーバーで、機種依存文字を変換
> しているのではないかと推測されます。

本メルマガは、まぐまぐと慶社内のメーリングリストの二つのルートで
配信しています。
まぐまぐ経由の配信で丸数字が文字化けしました。
今後は丸数字などの使用には注意します。

「?」が何であるかは文脈から推測可能ですが、明確にお知りになりたい
方はバックナンバー( http://www.kei-it.com/sailing/41-040920.html )
を参照してください。



--------------------------------------------------
このメルマガに対するご感想・ご質問はこちら
            office@kei-ha.co.jp
--------------------------------------------------
このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して
発行しています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000136030.htm
(但し、web@kei-ha.co.jp it@kei-it.com には直接配信しています。)

発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/
--------------------------------------------------
発行:
株式会社 慶
 代表取締役  蒲生 嘉達
y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp
TEL:03-5951-8490

☆ コピーや配布をされる時はご一報ください ☆


前のページに戻る   ホーム