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第152号  2006/11/6
  ▼  まえがき
  ▼  [新営業マニュアル] (1)これまで営業について書かなかった理由
  ▼  [新営業マニュアル] (2)営業にとって知識よりも重要なこと
  ▼  [新営業マニュアル] (3)コピー機の営業はマニュアル化されている
  ▼  [新営業マニュアル] (4)ソフト会社には営業はあまり必要なかった
  ▼  [新営業マニュアル] (5)なぜ「新営業マニュアル」シリーズか?
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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先週号では「アウトソーシングとネットワーク・コミュニティについ
書く」と次週予告しましたが、予定を変更して、今週号から新しく
営業についてのシリーズを開始します。

「慶2.0」シリーズの中で営業についても書くつもりでしたが、少し
ボリュームが大きくなりそうなので、別シリーズとします。

シリーズ名は「新営業マニュアル」です。



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  [新営業マニュアル] (1)これまで営業について書かなかった理由
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メルマガ新航海術も今回で152回目になりますが、営業関係のシリーズ
はこれが初めてです。

これまで、営業をテーマとしなかった理由は次の二つです。

(A)理論よりも人に依存する部分があまりにも大きすぎる。
(B)そもそもソフトウェア会社には営業はそれほど必要なかった。


まず、(A)について解説します。

これまで取り上げてきたテーマ、例えば、会社法、会計、開発プロセス、
人事、給与、ソフトウェア開発技術などは、それぞれ先人達が作り
上げた体系や理論がありました。

会社法なら、岩井克人著「会社はこれからどうなるのか」、
開発プロセスなら、Cem Kaner, Hung Quoc Nguyen, Jack Falk著
「基本から学ぶソフトウェアテスト」、プロジェクト管理なら、
ブルックス著「人月の神話」、人事なら、森永卓郎著「リストラと能力
主義」といった定番、名著、古典があり、それらを土台として、
議論することができました。

しかし、営業の場合には、そのような体系的な理論が見当たりません。



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  [新営業マニュアル] (2)営業にとって知識よりも重要なこと
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> マーケティングは「知識」として考えると、それほど膨大なことを
> 勉強する必要はありません。会計や税法などの制度的なものは、膨大
> な「知識」を必要としますが、「知恵」はあまり必要がありません。
> 実際、そういった専門家の中には、「知識」だけで食べていて、
> たいして「知恵」を使っていない人が多くいます。
> 
>       (岡本 吏郎著「マネするマーケティング」より)


知識なら体系的に教えられます。教科書も作れます。

しかし、営業にとって「知識」よりも重要なことは、「知恵」、
「機転」、「センス」、「キャラクター」、そして、「運」です。

そして、結果がすべて。

立派な理屈をこねても、毎日終電まで頑張っても、売れなければ
認められないし、理論的裏づけなしに我流でひらめきだけでやっても
売れればよいのです。

営業マンによって様々なやり方があるだけでなく、同じ営業マン
でも環境や相手次第でやり方を変えなければなりません。



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  [新営業マニュアル] (3)コピー機の営業はマニュアル化されている
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その中でも何らかの法則を見出そうという努力はなされています。

しかし、学者が作る営業理論は難しいだけで役に立たないし、
営業マンが自らの経験から導き出した信条や経験則は実践的ですが、
自らの経験の範囲内にとどまるので、業種が違えば、応用がききません。


例えば、コピー機の営業は精緻にマニュアル化されています。

コピー機の若い飛び込み営業マンは、必ず、次のように言います。

「今日が締め日なんですよ!どうしても今日中にノルマを達成しな
ければならないんで、普段は出せない金額を出しますよ!」
そして、客の目の前で上司に電話して、上司と交渉しているように
見せます。上司との電話が終わると、彼は言います。
「おこられちゃいましたよ!でも、なんとか認めてもらいました!!」


これらのノウハウは確かにコピー機の営業では役に立つでしょうが、
ソフトウェアの営業では役に立ちません。


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  [新営業マニュアル] (4)ソフト会社には営業はあまり必要なかった
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そもそもソフトウェアの請負開発会社は、これまでそれほど営業マンを
必要としていたわけではありません。

大手メーカーや大手SI会社などの大口安定顧客からの請負開発が売上の
大部分を占めているソフトウェア会社では、今でも営業はあまり必要
ありません。
技術者兼管理職の現場営業で十分なのです。

営業の仕事はせいぜいトラブったときに謝りに行くことくらいです。

実際にそのような会社では、技術者が50人に対し営業が1人ということも
珍しくありません。

また、常駐(SES)技術者の営業は、むしろ人事・管理といった要素が
強いでしょう。



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  [新営業マニュアル] (5)なぜ「新営業マニュアル」シリーズか?
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では、なぜ「新営業マニュアル」シリーズを開始するのでしょうか?

下記の理由によって、営業について根本的に考え直してみたいのです。


(1)パッケージ

慶は最近パッケージにも力を入れているのですが、パッケージの営業は
今までの営業と根本的に違います。

[PR]慶のパッケージ商品
 行政ナビ:http://www.kei-it.com/gyonavi/
 プラノPOS:http://www.kei-ha.co.jp/system/ppos.html


(2)一括請負

一括請負(持ち帰り)はなかなか安定的に取れません。
最近数ヶ月間は好調ですが、・・・。


(3)人材コンサル

雇用をめぐる状況がここ半年の間に大きく変化しているので、
人材紹介事業が従来の営業方法だと行き詰まり気味です。


(4)常駐開発(SES)

常駐開発(SES)も新人育成型、提案型に変えつつあるので、営業方法も
変えていく必要があります。



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  次回以降の予告
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次号は、11月13日発行予定です。

ブライアン・トレーシーの販売理論を突破口として、新営業マニュアル
シリーズの本題に入ります。


乞うご期待!!



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  本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、
目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。

したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び
慶と契約している個人事業主を想定しています。
彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2006年10月29日現在、555名です。


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