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第154号  2006/11/20
  ▼  まえがき
  ▼  [慶2.0] (1)運転資金の借入は自然に解消する
  ▼  [慶2.0] (2)「普通にやれば返せる借入」「容易には返せない借入」
  ▼  [慶2.0] (3)設備投資と税金
  ▼  [慶2.0] (4)ハードウェア以外への投資
  ▼  [慶2.0] (5)粗利の中での投資、または、投資のための増資
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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今週号は、「慶2.0 本当の大変化はこれから始まる」シリーズです。

このシリーズでは、次の10年で慶(及び類似した中小ソフトウェア会社)
が目指すべき方向性について、組織、営業、企画、労務など多方面から
考察します。
題は「慶2.0」ですが、多くの中小ソフトウェア会社にとっても共通
の課題を扱います。


「慶2.0」シリーズを最初から読みたい方は、
「バックナンバー 慶2.0」
( http://www.kei-it.com/sailing/back_kei2.html )を参照して
ください。

または、ブログ( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/ )の
「カテゴリー 慶2.0」(↓)を参照してください。
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat6545629/index.html



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  [慶2.0] (1)運転資金の借入は自然に解消する
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企業の資金需要は、大きく運転資金と設備投資に分けられます。
今週号では、この両者を明確に区別すべきだというお話しをします。


会計の本では、「運転資金」は「現金預金を除く流動資産−流動負債」
とか「売掛債権+在庫−買掛債務」などと定義されています。

要するに、入金と出金のズレのことです。
小売業や飲食店の場合は、出金よりも入金が先になりますが、
ソフトウェア会社の場合は、通常は出金が先になります。

この差額は、通常は下記の方法で立て替えられることになります。

(A)資本金(または剰余金)から立て替える。
(B)銀行からの融資で立て替える。

また、中小企業の場合は、社長個人が立て替えることもよくあります。

上記で「立て替え」という言葉を使いました。
運転資金は「入金と出金のズレ」なので、時間が経てば自然に解消
されるものだからです。

したがって、運転資金に対する銀行からの借入はそれほど有害では
ありません。
金利以上の営業利益を上げることを考えればよいだけの話です。

もちろん、金利の動向には注意しなければなりませんが・・・。

 関連記事:第81号「借入依存体質の危険性」
 [B] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/06/post_8fcc.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/81-050627.html



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  [慶2.0] (2)「普通にやれば返せる借入」「容易には返せない借入」
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運転資金に対する銀行からの借入は、「普通にやれば返せる借入」です。

事業が拡大する局面では借入も増大しますが、縮小する局面では
借入も縮小していくので、経営者を自己破産に追い込むような性格の
借入ではありません。

一方、設備投資に対する銀行からの借入は、「容易には返せない借入」
です。

1,000万円を、返済期間3年、年利3%で借りたとしましょう。
元本の年間返済額は333万円、利息支払が1年目は年間約26万円、
合計年間約360万円を銀行に支払わなければなりません。

元本が減るにしたがって利息支払は減っていきますが、元本の返済
金額は変わりません。

もちろん、運転資金として借り入れても、返済金額は同じです。
しかし、運転資金の場合は、既にある売掛金から返済されます。
つまり、原資が既にあるのです。

一方、設備投資の場合には、新たに利益を生み出して、そこから
返済しなければなりません。



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  [慶2.0] (3)設備投資と税金
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さらにここで税金も考えなければなりません。

元本の返済は経費ではないので、「利益を出して333万円の元本返済に
充てる」ということは、税率を40%とすると、555万円の利益を出さな
ければならないということです。

 555万円×(1−税率40%)=333万円

利息支払と合わせると580万円の営業利益を上げなければならないのです。


※運転資金の場合は、「後から入る現金」の中から銀行に返済しますが、
 税金は「後から入る現金」と「先に払った現金」の差額(つまり利益)
 に対してかかるので、返済額そのものにかかるわけではありません。


実際には、設備投資で購入したモノの減価償却費が経費になるので、
借入期間を法定耐用年数に近づけるように設定することができれば、
返済額は年間約360万円に近づきます。
しかし、年間約360万円より少なくすることはできないのです。
これが1億円だったら、3,600万円です。

これは、容易に返せるものではありません。
「設備投資として多額の借入をしたら返せない」と言ってもよい
でしょう。

中小企業の経営者を自己破産や自殺に追い込む主犯は、設備投資への
借入です。

 関連記事:
 第114号「連帯保証人制度が無ければ大半の中小企業は潰れる」
 [B] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/02/post_2a29.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/114-060213.html


だからこそ、多額の設備投資が必要な業種の会社では、巨額の資本金
(返さなくても済む資金)が必要なのです。



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  [慶2.0] (4)ハードウェア以外への投資
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それではハードウェア以外、例えば、研究開発、パッケージソフト、
ビジネスモデル、新規事業への投資は、運転資金なのでしょうか、
それとも設備投資なのでしょうか?

銀行はハードウェア以外の投資は設備投資として認めません。
認めるとしても「新規事業資金」とか「事業改善資金」とかいう
名目になり、融資枠は限られるでしょう。

ベンチャーが銀行ではなくベンチャーキャピタルやエンジェルに頼り、
最終的には株式公開を目指す理由はここにあります。

また、「運転資金」という名目で借りて、実際には投資に回している
という会社も多いでしょう。

しかし、それによって、その会社が銀行から運転資金として借入
できる枠を使い切ってしまうと、本当に運転資金が必要となった時に、
借りられなくなってしまいます。



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  [慶2.0] (5)粗利の中での投資、または、投資のための増資
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重要なことは、ハードウェア以外への投資も設備投資と同じ性格を
持っているということです。

投資を借入によって行うということは、「元本+利息+税金」分の
利益を上げなければならないということを意味します。
それは、やはり、「容易には返せない借入」なのです。

ソフトウェア会社もかつてはパッケージの開発に巨額の金が必要でした。
しかし、最近はチープ革命が進み、巨額の借入に頼る必要性は薄れて
きています。

 関連記事:147号「(1)WEB2.0の世界では、資金さえ必要ない」
 [B] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/10/post_aaa7.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/147-061002.html


ソフトウェア会社の場合は、粗利の中で投資していくことが可能と
なったのです。


運転資金の借入と投資への借入を区別し、前者は許容し、後者は
極力抑える必要があります。
ある商品が利益を生んでいる間にその利益を使って、次の商品に
投資していくことが理想です。

そして、本当に魅力的なアイデアがあり、それに巨額の資金が必要なら、
借入ではなく、「返さなくても良い資金」の調達を考えるべきです。
第150号では、体制と関連付けて増資を論じましたが、新規事業へ
投資するための増資が必要となる局面もあり得ます。

 関連記事:第150号「増資問題は次期体制問題」
 [B] http://www.kei-it.com/sailing/150-061023.html
 [H] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/10/post_9438.html



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  次回以降の予告
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次号は、11月27日発行予定です。

「新営業マニュアルシリーズ」の予定です。


乞うご期待!!



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  本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
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目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。

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彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2006年11月19日現在、559名です。


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