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第179号  2007/5/21
  ▼  まえがき
  ▼  [新会社法活用術] (1)取締役会設置会社と取締役会非設置会社
  ▼  [新会社法活用術] (2)慶と慶ネクストの変更登記申請の違い
  ▼  [新会社法活用術] (3)機関設計とは3機能の分担の問題
  ▼  [新会社法活用術] (4)監査役を置くと株主総会の監督機能は制限
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。

5月18日(金)に「会計は会社の心臓セミナー」を開催しました。
( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/05/post_5601.html )

開催1週間前にご案内したにも関わらず、5名の方々にご出席して
いただけました。
また、セミナー後の懇親会も有意義なのものになりました。

今後も様々なイベントを企画していきます。



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  [新会社法活用術] (1)取締役会設置会社と取締役会非設置会社
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第178号で、ほとんどの中小ソフトウェア会社は「中小会社&非公開会社」
であり、「中小会社&非公開会社」の現実的な機関設計のパターンは
次の7種類だという説明をしました。

1.取締役
2.取締役+監査役
3.取締役+会計参与
4.取締役+監査役+会計参与
   ----------------
5.取締役会+監査役
6.取締役会+会計参与
7.取締役会+監査役+会計参与


そして、1〜4(取締役会非設置会社)と5〜7(取締役会設置会社)との差異が
重要だと付け加えました。

ちなみに、株式会社慶は取締役会設置会社であり、今年2月に設立した
株式会社慶ネクストは取締役会非設置会社です。


 関連記事:第178号「株式会社の種類」
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/05/post_d941.html



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  [新会社法活用術] (2)慶と慶ネクストの変更登記申請の違い
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2月に(株)慶ネクストを設立した時には、(株)慶の住所を本店
として登記しました。
そして、その後、新事務所を借りて、3月末に移転しました。

本店移転したら、法務局に変更登記申請をしなければなりません。
また、そのとき、変更登記申請書に「株主総会議事録」を添付し
なければなりません。

一方、取締役会設置会社である(株)慶が本店移転した場合には、
変更登記申請書の添付資料は「株主総会議事録」ではなく
「取締役会議事録」になります。

(株)慶ネクストには取締役会そのものが無いのだから、本店移転を
決める機関は株主総会でしかあり得ないという、当たり前と言えば、
当たり前の話です。



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  [新会社法活用術] (3)機関設計とは3機能の分担の問題
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ここで注目すべきことは、取締役会設置会社と取締役会非設置会社
とでは、株主総会の機能が異なるという点です。


株式会社の機能は大きく次の3つに分かれます。
・決定機能
・執行機能
・監督機能
(監督機能と監査機能を分けて説明している本もありますが、
本メルマガでは監査機能は監督機能の一部として論じます。)


第178号「株式会社の種類」でいきなり「機関設計」という言葉を
使いましたが、本当は上記3機能を理解していないと「機関設計」
という言葉は理解できません。

上記「機能」を担う人や組織を「機関」と呼びます。
そして、「機関設計」とは上記3機能をどのように分担させるかという
問題なのです。


取締役会設置会社では、取締役会が決定機能と監督機能を持ちますが、
取締役会非設置会社では、株主総会が決定機能と監督機能を持ちます。

例えば、社名を変える(商号変更)場合にも、取締役会設置会社では
取締役会で決めますが、取締役会非設置会社では株主総会で決めます。



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  [新会社法活用術] (4)監査役を置くと株主総会の監督機能は制限
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上述の7種類と関連させて、もう少し正確に説明しましょう。

【取締役会非設置会社】
1.取締役:株主総会のみが監督機能を持ちます。

2.取締役+監査役
3.取締役+会計参与
4.取締役+監査役+会計参与

監査役、または、会計参与も監督機能を持つので、株主総会の監督機能は
逆に制限されることになります。


【取締役会設置会社】
5.取締役会+監査役
6.取締役会+会計参与
7.取締役会+監査役+会計参与

取締役会設置会社では、監査役または会計参与の設置が義務付けられて
いることが分かります。
監査役、会計参与が監督機能を持るので、株主総会の監督機能は
制限されることになります。



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  次回以降の予告
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第45号から第51号まで、第110号から第115号まで連載した
「大きくなるか、小さくなるか」シリーズのテーマは、
「売上2億円の会社を5つ作るべきか、売上10億の会社を1つ作るべきか?」
でした。

 カテゴリー「大きくなるか、小さくなるか」:
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat5334582/index.html


現時点で、この問題は、「売上2億円の取締役会非設置会社を5つ作る
べきか、売上10億の取締役会設置会社を1つ作るべきか?」という
問題でもあると考えています。


このあたりも徐々に論じていきます。

次号は、5月28日発行予定です。


乞うご期待!!



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  本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
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彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2007年5月21日現在、594名です。


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