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第184号  2007/6/25
  ▼  まえがき
  ▼  [新会社法活用術] (1)今週号のテーマは株主
  ▼  [新会社法活用術] (2)a社長は毎月の目標達成に追われる日々
  ▼  [新会社法活用術] (3)出資は貸し付けよりもリスクが大きい
  ▼  [新会社法活用術] (4)今週号の関連記事
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。

今週号は4週間ぶりの新会社法活用術です。



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  [新会社法活用術] (1)今週号のテーマは株主
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本日は、株主について話します。

第29号「会社法の主要な登場人物」の中でも最初に出てきたのは、
株主でした。

 第29号:会社法の主要な登場人物
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2004/06/post_a2ec.html


さて、A社は、売上約6億、資本金1億円のソフトウェア会社です。
元々資本金4,900万円の独立系の会社でしたが、数年前に大手外資
企業B社から5,100万円の出資を受けました。

※ A社もB社も実在の会社ではありません。フィクションです。


A社がB社の資本を導入した理由は、運転資金が不足したからです。

ソフトウェア開発請負業の場合、小売業などの現金商売と違い、
運転資金の調達は大きな問題となります。
たとえ事業が順調であったとしても、売上規模が拡大するにつれて、
重要な問題となってきます。

 第149号:売掛金と買掛金の差額はチープにならない
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/10/post_393d.html



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  [新会社法活用術] (2)a社長は毎月の目標達成に追われる日々
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中小ソフトウェア会社の主な資金調達方法は下記の二つです。

・金融機関からの借入
・外部資本の導入


A社は「外部資本の導入」を選択しました。

A社にはB社から取締役が送り込まれ、それまでいたA社の役員は、
a社長を除き、全員退任しました。

A社のa社長は月次で業績をB社に報告しなければなりません。
しかし、A社のような一般的な中小ソフトウェア会社の営業利益率は
けっして高くありません。
しかも、プロジェクトの失敗などのトラブルが発生すれば、すぐに
利益は吹き飛んでしまいます。

a社長は毎月の目標達成に追われる日々を送っています。
B社はドライな外資ですから、業績が悪ければ、いつ解任されるか
分かりません。



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  [新会社法活用術] (3)出資は貸し付けよりもリスクが大きい
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ここで、普通の人は、「a社長はかわいそう!B社は血も涙もない
金の亡者!」と感じるでしょう。


しかし、B社の立場に立って考えてみると、それは見当違いである
ということが分かります。

もしもB社が金儲けの安全性を考えたなら、5,100万円をA社に
(出資ではなく)貸し付けてもよかったはずです。
貸し付けの場合、契約時点で、返済も利益(利息)も確定します。
さらに、a社長を連帯保証人にすれば、A社の事業が失敗し、倒産
したとしても、ある程度は回収できるでしょう。

一方、株主となった場合は、出資の時点で利益(配当)が確定される
ことはありません。毎年、決算まで確定されないのです。
また、A社が事業に失敗し、倒産した場合には、出資金を失ってし
まいます。

つまり、出資は貸し付けよりもはるかにリスクが高いのです。

したがって、B社は、貸し付けをする銀行よりもはるかに事業に
口を出す必要があるのです。

別の言い方をすれば、B社は、日本市場とA社とa社長を分析した
結果として、(自分が口を出せば)それだけのハイリスクに見合った
ハイリターンを得られると考えたからこそ出資したのです。



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  [新会社法活用術] (4)今週号の関連記事
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○運転資金、増資、借入

 第150号:増資問題は次期体制問題
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/10/post_9438.html

 第165号:ソフトウェア会社の資金計画
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/02/post_16cb.html


○連帯保証

 第113号:電車に飛び込む人が後をたたない理由
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/02/post_0b95.html

 第114号:連帯保証人制度が無ければ大半の中小企業は潰れる
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/02/post_2a29.html




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  次回以降の予告
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次号は、7月2日発行予定です。

乞うご期待!!



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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
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