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第191号  2007/8/13
  ▼  まえがき
  ▼  [グーグルの衝撃] (1)ネット産業はテクノロジー事業
  ▼  [グーグルの衝撃] (2)YouTubeは画期的な独自技術ではない
  ▼  [グーグルの衝撃] (3)YouTubeについて次に語りたいこと
  ▼  [グーグルの衝撃] (4)Amazonアフェリエイト
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。

今週は「グーグルの衝撃シリーズ 第二部」です。

「グーグルの衝撃シリーズ 第二部」では、慶を含めて各社が独自
サービスを生み出す上でのヒントになるような話をしていきます。

本日はYouTubeについて話します。



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  [グーグルの衝撃] (1)ネット産業はテクノロジー事業
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梅田望夫氏は「ウェブ進化論」の中で、次のようなことを主張して
います。要約して紹介します。

 グーグルはネット産業をテクノロジー事業としてとらえている。
 ヤフーやアマゾンなどの米国のネット列強もグーグルの影響を
 受けて、同じように考えるようになった。
 したがって、彼らには強烈なテクノロジー志向があり、テクノロ
 ジーを創造しようとしている。

 一方、楽天などの日本のネット企業はテクノロジーを創造する気
 はない。彼らはネット産業は「生活密着型サービス産業」であり、
 テクノロジーはサービスのために利用するものと考えている。



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  [グーグルの衝撃] (2)YouTubeは画期的な独自技術ではない
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それなら、YouTubeはどうでしょうか?
テクノロジーを創造しようとしているのでしょうか?

確かに世界最大の動画配信サイトを構築し運用するには高度な技術が
必要なのでしょう。
しかし、それは画期的な独自技術と言えるほどのものでしょうか?

むしろ、要素技術を独自に開発するのではなく、既存のものをうまく
組み合わせて開発しているところがWeb2.0らしいのではないでしょうか。


梅田望夫著「ウェブ進化論」には、次のような話も出てきます。
これも要約して紹介します。

 グーグル・マップスというAPIが公開されたことにより、日本の
 某ベンチャーが「たくさんの人たちが、それぞれ撮影した写真や
 書いた文章を、関連する場所を示す地図上に自由に添付できる
 サービス」を作った。(はてなマップ http://map.hatena.ne.jp/ )

 もしもこれをゼロから開発したら数億円以上かかったであろうが、
 グーグル・マップスAPIを使うことによって、エンジニア1人が
 わずか5日で作り上げることができた。


YouTubeとはてなマップとでは、サービスとしての普及率や規模は
比較になりませんが、既存の技術を組み合わせて、新規サービスを
短期間に作り上げたという点では似ているではないでしょうか。



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  [グーグルの衝撃] (3)YouTubeについて次に語りたいこと
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YouTubeについては、メルマガ1回では語り切れません。

今回、話したかったことを要約すると次のようになります。

 YouTubeのような新しい世界的なサービスも、既存の技術を組み
 合わせて作られている。
 日本の中小ソフトウェア会社が、Googleの検索エンジンやAmazonの
 ウェブサービスそのものを作ることはできないが、YouTubeを作る
 ことは不可能ではない。


次に話すべきことは、「では、どのようなサービスを提供すればよいか」
ということでしょう。

ここで、キーワードとなるのが、「総表現社会、娯楽性、楽しさ」です。

それについては次号以降で解説していきます。


また、YouTubeについて語る上で、必須のテーマが著作権、法制度、
社会の体質です。
ここに日本からYouTubeが出てこない理由の一つがあります。

それについても次号以降で解説していきます。



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  [グーグルの衝撃] (4)Amazonアフェリエイト
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今回は梅田望夫著「ウェブ進化論」についての言及が多かったですが、
実際には、坂村健著「変われる国・日本へ」からも想を得ています。

> 私が注目するのは、YouTubeが何も難しい技術を使っていないという
> ところです。インターネットの中でよく知られている技術を組み合
> わせるだけで、これだけのことができてしまう。
> 逆に言うと、Googleが目をつけて買ったのは画期的な独自技術など
> ではなく、YouTubeという仕組みの新規性だったのです。これが
> インターネットのすごいところなのです。
>           (坂村健著「変われる国・日本へ」より)


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  次回以降の予告
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次号は、8月20日発行予定です。

乞うご期待!!



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