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第169号 2007/3/5
▼ まえがき
▼ [新営業マニュアル] (1)セールスは世界中どこでも同じ
▼ [新営業マニュアル] (2)私は電話はかけません
▼ [新営業マニュアル] (3)クロージングのテクニック
▼ [新営業マニュアル] (4)「断られてからが営業」再論
▼ あとがき
▼ 次回以降の予告


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まえがき
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今週号も「新営業マニュアル」シリーズです。

「新営業マニュアル」シリーズはブライアン・トレーシーの講演
ビデオ「販売の心理学」を見ながら書いています。
日本語字幕付きの英語のビデオです。
メルマガの文中に挿入されている英語は、私がビデオで聞き取った
ものなので、少し間違いがあるかもしれません。
しかし、翻訳文では読み取れないものがあるし、翻訳文の品質も
イマイチなので、随所に入れています。


「新営業マニュアル」シリーズを最初から読みたい方は、
「バックナンバー 新営業マニュアル」
( http://www.kei-it.com/sailing/back_sales.html )を参照して
ください。

または、ブログ( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/ )の
「カテゴリー 新営業マニュアル」(↓)を参照してください。
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat6624385/index.html



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[新営業マニュアル] (1)セールスは世界中どこでも同じ
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「販売の心理学」には、「セールスって世界中どこでも同じだな」と
思える話がよく出てきます。

例えば、アメリカでも商談は次のように終わるのが常だそうです。

 客:エー、よく考えてみます。( Let me think it over. )
 営業マン:わかりました。( OK )

そして、後で電話をかけると、また"Let me think it over."
と言われるそうです。

このあたりは、日本もアメリカも同じですね。


> 相手がよく考えてみたいと言うのは、彼らはもう、よく考えない
> という意味なのです。彼らは永久にさようなら(Good-by forever)と
> 言っているのです。
>               (ブライアン・トレーシー)



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[新営業マニュアル] (2)私は電話はかけません
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ブライアン・トレーシーも営業を始めたころはこの連続だったそうです。

疲れきったブライアン・トレーシーは、ある日「私は折り返しの電話は
かけません」と宣言しました。


ブ:申し訳ありません。私は折り返しの電話はかけません。」
 (I'm sorry. I don't make callbacks.)

客:何ですって?(What?)

ブ:私は電話を掛け直すことはしません。(I don't call back.)
  何故かと言いますと、私があなたにお伝えできることは、既に
  全部お話ししたからです。
  その商品は、今ここにあります。既にこの時点で、あなたは買うか
  どうか決断をするために必要なすべての情報を知っていらっしゃる。
  もはや、これ以上の情報は何もありません。
  ですから、それが良いにしろ悪いにしろ、あなたは既に、この商品
  について全てを知られたのですから、もう、よく考える必要は
  ありません。ですから、今お買い上げになりませんか?

すると、客は「なるほど、わかりました」と言って買ってくれました。


その後、ブライアン・トレーシーは「私はフォローの電話はお掛け
しません」と言うようになり、営業成績を伸ばして行ったそうです。



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[新営業マニュアル] (3)クロージングのテクニック
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この話しには幾つか教訓が含まれています。

(1)見込み客の選別
早く結論を出してくれる客に時間をかけるべき。

 関連記事:第166号「買う客は初対面から90日以内に買う」
 [B] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/02/90_8748.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/166-070212.html


(2)クロージングのテクニック

「どう思われます?」ではなく、「お買い上げになりませんか?」
(Why don't you take it?)と言う。


(3)リレーションシップ販売

ブライアン・トレーシーの最初の「私は電話はかけません」は偶発的
成功ですが、その後のブライアン・トレーシーの「私はフォローの
電話はお掛けしません」は意図的なリレーションシップ販売の例でしょう。

相手と信頼関係を築き、ニーズを把握すれば、しつこいプレゼンティング
やクロージングは必要ないということです。

 関連記事:第168号「新しいリレーションシップ販売モデルは逆三角形」
 [B] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/02/post_c451.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/168-070226.html



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[新営業マニュアル] (4)「断られてからが営業」再論
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「私はフォローの電話はお掛けしません」と
「よく考えてみれば、積極的でたくさん電話をする人の方が、
そうしない人より多くの成果を上げるのは明らかなことです」は
両方ともブライアン・トレーシーの言葉です。

これは矛盾しないでしょうか?
いいえ、矛盾しません。

ブライアン・トレーシーは、「信頼関係を築くために電話しろ」と
言っているのであって、「プレゼンティングやクロージングのために
電話しろ」と言っているわけではありません。


第163号の「(3)私たちのどちらか一方が死ぬまでです」を読み直すと、
ビルは大企業の重役にプレゼンティングのためではなく、信頼関係を
築く( BUILDING TRUST )ためと相手の必要としているものを知る
( IDENTIFY NEEDS )ために電話し続けたことに気づくでしょう。

 関連記事:第163号「(3)私たちのどちらか一方が死ぬまでです」
 [B] http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/01/post_809b.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/163-070122.html


「断られてからが営業」という言葉が「断られてからもプレゼン
ティングやクロージングをしろ」という意味で使われるなら、それは
古いリレーションシップ販売です。

「断られてからも信頼関係を築くため努力をしろ」という意味なら
新しいリレーションシップ販売です。


> 今日あなたから買ってくれないとしても次から次へと彼らとの信頼
> 関係を築いていくことです。そして連絡を取り続ける。
> トップセールスマンは楽観主義者なのです。トップセールスマンは
> より多く電話し、断られてもまた電話します。
>                (ブライアン・トレーシー)



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あとがき
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第160号、第161号でお話しした「成功の心理学」を忘れないために、
その要点を英語と日本語で記します。

【Psychology of Success】
○The succesful people have really high level Optimism.
○Optimist have two greatest qualities that make them greatest
selling.
  ・try more things
  ・persist more
○Optimist have 4 orientations.
  ・Future Orientation
  ・Goal Orientation
  ・Excellence Orientation
  ・Growth Orientation

【成功の心理学】
○成功した人たちというのは本当に高いレベルの楽観主義者である。
○楽観主義者はセールスにおいて高い実績をあげるのに重要な二つの
 資質を備えている。
  ・多くの課題に取り組む
  ・根気
○楽観主義者は次の4つの見当識を持つ。
  ・未来の見当識
  ・目標設定の見当識
  ・長所の見当識
  ・成長の見当識



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次回以降の予告
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ブライアン・トレーシーはリレーションシップ販売を次のように
重要視しています。

> このリレーションシップ販売とは現在と未来の成功の鍵となるものです。
> The relationship selling is the key to success now and for the
> future.
>              (ブライアン・トレーシー)

次号以降でさらに詳しく述べます。

次号は、3月12日発行予定です。

乞うご期待!!



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本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
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彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2007年2月24日現在、585名です。


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