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第215号  2009/1/1 [グーグルの衝撃]

「日本語が亡びるとき」を読んで

 


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第215号  2009/1/1 『「日本語が亡びるとき」を読んで』
  ▼  まえがき
  ▼  [教育] (1)日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
  ▼  [教育] (2)インターネットと英語
  ▼  [教育] (3)文化的にも、政治的にも、重大な問題
  ▼  [教育] (4)私が微力ながらできること


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  まえがき
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蒲生嘉達(がもうよしさと)です。

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。


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[教育] (1)日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
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水村美苗著「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」を読みました。

「日本語が亡びるとき」は今インターネット上で書評があふれている
本です。
 (例 http://en.yummy.stripper.jp/?eid=1094337 )

「今世紀においてこれまで書かれた中で、最重要の一冊」と絶賛している
人もいれば、「やや雑なアジテーション」と酷評している人もいます。

私は、この本は英語・日本語問題について考える上での基盤を提供
してくれる良書だと思います。


「日本語が亡びるとき」の要約は「新航海術の補足」ブログの下記の
記事を参照してください。

  [新航海術の補足] 「日本語が亡びるとき」の要約
 http://www.gamou.jp/comment/2008/12/post-6879.html



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[教育] (2)インターネットと英語
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「日本語が亡びるとき」の中で、本メルマガの読者が最も興味を持てる
部分は、「6章 インターネット時代の英語と<国語>」だと思います。

インターネット上には、様々な言語が流れています。
したがって、インターネットは、一見、多言語主義であり、あらゆる
言語が平等に扱われているように見えます。

多くの人々は、「インターネットと英語」について、「インターネットは
アメリカで生まれたから用語や技術資料は全部英語だ」という
程度にしか考えません。


しかし、水村美苗は「インターネットによって英語は普遍語としての
地位をほぼ永続的に保てる運命を手にした」と主張します。

> インターネットという技術の登場によって、英語はその<普遍語>
> としての地位をより不動のものにしただけではない。
> 英語はその<普遍語>としての地位をほぼ永続的に保てる運命を手にした
> のである。
> 人類は、今、英語の世紀に入ったというだけではなく、これからも
> ずっと英語の世紀のなかに生き続ける
>
>  (水村美苗著「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」より)


グーグル・ブックサーチなどの「大図書館」によって莫大な英語の
文献が参照可能となり、利用者が増えればランキング・システムの
精度も高まり、それがさらに文献と利用者を増加するという循環が
生まれるからです。

詳しくは「新航海術の補足」ブログの下記の記事を参照してください。

 [新航海術の補足] グーグル「大図書館」計画の影の部分
 http://www.gamou.jp/comment/2008/12/post-c352.html



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[教育] (3)文化的にも、政治的にも、重大な問題
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「英語の世紀」問題に関連することと言えば、2年前、私は第157号
「サービス業のオフショアリング」で次のようなことを述べました。

日本語という壁があるため、日本ではサービス業(ソフトウェア開発も
含む)のオフショアリングが進まない。
このことは、長期的には日本企業の競争力を弱めていく。

 第157号「サービス業のオフショアリング」
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2006/12/post_6f55.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/157-061211.html


これは、主に経済面での問題です。

しかし、「日本語が亡びるとき」を読んで、「英語の世紀」問題は、
文化的にも、政治的にも、今まで考えていた以上に、重大な問題で
あると思いました。


> 英語が<国語>であることの計り知れぬ利益は、英語を<国語>と
> する幸せな国民以外は、誰もがよく知っている
>
>  (水村美苗著「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」より)



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[教育] (4)私が微力ながらできること
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「日本語が亡びるとき」は、時間的も地域的にも、広く深い考察を
展開しています。

しかし、最終章「英語教育と日本語教育」では、次のような、
ごく常識的な結論となっています。

・英語教育は国民の一部がバイリンガルになることを目的とすべき。
・日本語教育で日本近代文学をもっと教えるべき。


問題が大きすぎるだけに、実現可能な解決策はこれくらいしかない
のでしょう。


そして、私は自分が微力ながらできることは次のことだと思っています。

 日本語で魅力的なコンテンツを提供し続けること。
 会社としては自社サービスで、個人的にはメルマガやブログで・・・。



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