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第247号  2013/4/13 [会社の心臓]

無借金経営

 

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第247号 2013/4/13 『無借金経営』
▼ まえがき
▼ (1)中小企業の社長は借金好き
▼ (2)貸借対照表的に表現すると
▼ (3)無借金経営は厳しさを求める
▼ (4)無借金経営の大きな利点
▼ (5)本気の経営参加
▼ あとがき


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まえがき
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こんにちは。蒲生嘉達(がもうよしさと)です。

今回は無借金経営について話します。



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 (1)中小企業の社長は借金好き
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> 借金が好きな人はいません。
> と言いたいところですが、中小企業の社長は結構借金好きです。
> お金がなければ、すぐに借入れを考えます。
> (「会社にお金が残らない本当の理由」(岡本 吏郎著)より)


これには銀行の営業マンにも責任があります。
銀行は借すのが商売なので、銀行の営業マンは中小企業の社長を
おだてながら、満面の笑みを浮かべて、融資を勧めてきます。

「〇〇という制度があと半年で無くなるんですよ。借りられるうちに
大目に借りてしまいましょう。」
「皆さん、お腹一杯食べていらっしゃいますよ(他の会社はみんな
融資枠一杯まで借りていますよ)。」

などと言ってきます。



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 (2)貸借対照表的に表現すると
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中小ソフト会社の場合、現金不足になる主な理由は次の3つでしょう。

・売掛金の現金化が遅い(早くて1ヶ月。遅い場合半年以上)
・プロジェクトの失敗や仕事減少による赤字
・顧客倒産などによる貸し倒れ


この現金不足を補うには次の二つの方法があります。
貸借対照表的に表現します。
(A)「負債の部」を大きくする
(B)「純資産の部」を大きくする

(A)の代表的なものが銀行からの借入です。
他に様々な支払を伸ばす(買掛金を増やすなど)という手もあります。

(B)には次の二つがあります。
 (B-1)資本金を増やす。
 (B-2)利益剰余金を増やす。

そして、現金を増やす方法として(A)ではなく(B)を選択した経営が
無借金経営です。



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 (3)無借金経営は厳しさを求める
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「(B-1)資本金を増やす」と言っても、たいていは経営者が資金を
出すことになります。
つまり、経営者は役員報酬の一部を増資のために取っておかなければ
ならないということです。
その意味で無借金経営は経営者に自己規制を強いることになります。

また、「(B-2)利益剰余金を増やす」ということは、無借金経営は
借金経営以上に利益を求めるということであり、経営者と社員に
厳しさを強いることになります。

さらに、無借金経営の場合、キャッシュ不足が発生すれば、
支払もできなくなるので、入出金に神経を尖らせる必要があります。
(借金経営の場合、数字上の利益が出ていれば、キャッシュが不足しても、
銀行から輸血することができます。)



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 (4)無借金経営の大きな利点
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無借金経営には上記の厳しさがありますが、次の二つの大きな利点があります。

・事業継承が容易である。
・事業継承せずに解散することも容易である。

その理由は二つとも同じです。
銀行からの借り入れは経営者が連帯保証人になることが必須だからです。

借金のある会社を引き継いだ社長は、個人としても自動的に借金を
引き継ぐことになります。
無借金経営の会社なら、借金なしで事業を引き継ぐことができます。

また、借金のある会社を清算する場合は、その会社の社長は個人の資産を
全て失ってでも借金を返済しなければなりません。



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 (5)本気の経営参加
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「経営参加」はどこの会社でも謳い文句になっていますが、それはせいぜい
「経営数字をオープンにする」「社員の提案を尊重する」といった程度です。

しかし、「本気の経営参加」の前提は、「経営を引き継ぐ可能性がある」
ということです。

自分が引き継ぐつもりで経営参加できる会社でありたいものです。



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あとがき
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